発熱外来

一番多いのはやはり感染症ですが、その他にも結合組織病、腫瘍などがあります。
感染症は、よく知られているように、コロナ、インフルエンザ、溶連菌、マイコプラズマ、麻疹、風邪症候群、などなど挙げればキリがありません。呼吸器感染症だけではなく、胃腸炎や胆嚢炎など消化器の感染症、心膜炎、血管炎などの循環器の感染症の他、外傷や火傷による感染症、髄膜炎など、あらゆる臓器の感染症で発熱し得ます。症状も、「咳が出る」「喉が痛い」「お腹が痛い」「息苦しい」などさまざまです。
そして発熱といえば昨今では、コロナ、インフルエンザに感染したのではないかとまず最初に心配になる状況ですが、インフルエンザもコロナも感染初期の治療が大切です。いずれも、治療薬は身体に入ったウィルスが、一つの細胞から次の細胞への感染するのを防ぐという機序の薬なので、ウィルスが広がりきった後では効果が薄いです。抗インフルエンザ薬（タミフル、イナビルなど）は感染から２日、抗コロナ薬（ラゲブリオ、ゾコーバなど）は感染から３日以内でないと、もう既にウィルスが多くの細胞に広がっているので、広がってからの薬の効果はほとんどないと言われています。したがって皆様には、「何か熱がある」と感じたら早めの受診をお勧めします。
当院では、抗体ができる前に、抗原があるだけの状態でもコロナ、インフルエンザ、マイコプラズマ、RSウィルス、溶連菌に関しては検出できる機器がありますので、感染が心配な際は早めにいらしていただければと思います。
例えば、溶連菌は最初は喉に感染する普通の風邪を起こしますが、後に糸球体腎炎を起こす原因ともなります。腎炎を起こすと治療が難しくなり、腎機能が低下して腎不全に進むことも少なくありません。しかしながら溶連菌は細菌の一種なので、ウイルスと違って抗生剤で撲滅させることが可能です。
マイコプラズマも４０度に渡る発熱や肺炎の原因となるものですが、これも抗生剤で治療することができます。このように原因菌やウィルスがわかればそれだけ早めに対処して重篤な状態にならずに軽快できる可能性が高くなりますので、早めの来院をお勧めします。

発熱の原因として次に多いのは結合組織疾患です。中でも多いのは、全身性エリテマトーデス（SLE),　関節リウマチ、許細胞性動脈炎、血管炎、成人still病などです。いずれも自己免疫疾患とも言われ、自分の身体の一部を他者と誤認して攻撃しているのが原因です。初期には発熱だけが自覚症状で、なぜ発熱しているのかわからないこともあり、精密検査によって初めて熱の原因が特定されることも多いです。発熱の他に、続く関節痛や、皮膚の発赤などがあると精密検査をすることをお勧めします。

その次に多いのが腫瘍、つまりがんですが、がん細胞は異物なので身体はその異物を排除しようとして炎症を起こして攻撃して発熱します。リンパ腫、白血病、腎細胞癌、転移性上皮性悪性腫瘍などは特に発熱が顕著です。これらに関してもできるだけ早期発見、早期治療が良いことは言うまでもなく、早期受診を強くお勧めします。

いずれにしても発熱は身体に何かが起こっているアラームなので、我慢せずに早めに受診、精査されることをお勧めします。当院では発熱の方だけは、その緊急性を考慮して、予約がなくてもお電話いただければ受診を受け付けます。
感染が原因の発熱に関しては、その場で対応させていただきます。それ以外の原因の発熱は、ある程度の診断をつけて後、然るべき先で治療していただくべく、紹介状をお渡しします。当院は、三井記念病院、順天堂病院、日本医大病院、永寿総合病院と提携しております。

なお、発熱待合室と一般待合室は別なので気軽にお越しください。