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予防接種

当院では、定期接種ワクチンなどお子様のワクチン(0歳~)、基礎疾患のある方やご高齢の方のワクチン、渡航ワクチン、千代田区在住の方の千代田区補助のあるワクチン、その他インフルエンザや帯状疱疹など、希望者の方のためのワクチンなど、日本で受けられるあらゆるワクチンに対して対応しております。
ただし昨今は出荷制限がかかっていて手に入りにくいワクチンが種々あります。
しかし私がこれを書いている2024年9月2日現在まで、手に入りにくいワクチンも含めて、ご要望があった全てのワクチンは何とか入手できています。
今後もご要望のワクチンを何とか希望される方に届け続けたいと努めますが、もし残念ながら手に入らない時があればその際は前もってお伝えします。

ワクチンの接種間隔

厚生労働省の規定が令和2年から、以前とは変わりました。
生ワクチンの場合は、前回接種の生ワクチンから27日以上おかなければ次の生ワクチンを接種してはいけません。これに関しては以前からのルールと同じです。
一方、生ワクチン以外のワクチンは、他のワクチンとの接種間隔をあける必要はなく、いつでも接種可能です。
この点でルールが変わったので、以前より接種計画が自由に設定できるようになりました。

厚生労働省サイトより2024年9月

各ワクチンごとに、接種間隔と回数が決まっているので、その間隔、回数を示します。(厚生労働省 検疫所サイトより)

任意接種

★のついているワクチンは渡航ワクチンでもあります。

当院で受けられるワクチン 接種回数 間隔・時期
インフルエンザ 1回  
★ 新型コロナ 1回  
★ 髄膜炎菌(4価):メンクアッドフィ、メナクトラ 1回  
★ 破傷風トキソイド 3回

2回目は4週間後、
3回目は6か月後。

★ A型肝炎 3回 2回目は4週間後、
3回目は6か月後。
RSウイルス 1回  
23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン:ニューモバックスNP
(高齢者の肺炎球菌ワクチンに使用)
1回  
帯状疱疹:シングリックス 2回 2か月後に2回目。

こども定期接種

★のついているワクチンは渡航ワクチンでもあります。

当院で受けられるワクチン 接種回数 間隔・時期
★ B型肝炎 3回 生後2か月、3か月、
8か月あたりに。
ロタウイルス(飲むワクチン) 1価:ロタリックス 2回 生後2か月、
3か月あたりに。
ロタウイルス(飲むワクチン) 5価:ロタテック    
小児用肺炎球菌 13価:プレベナー13 4回 4週間隔で3回、
生後12-15か月に4回目。
小児用肺炎球菌 15価:バクニュバンス  
※R6.4.1~15価に変更
   
五種混合(DPT-IPV-Hib:ジフテリア・百日咳・破傷風・ポリオ・ヒブ) 4回 4週間隔で3回、
生後12-15か月に4回目。
四種混合(DPT-IPV:ジフテリア・百日咳・破傷風・ポリオ)    
三種混合(DPT:ジフテリア・百日咳・破傷風)    
二種混合(DT:ジフテリア・破傷風)    
★ ポリオ(IPV) 1回  
ヒブ(インフルエンザ菌b型)    
BCG 1回 生後5か月以降。
ツベルクリン    
★ 麻疹・風疹混合(MR) 2回 1歳時と6歳時。
おたふくかぜ 2回 1歳児と2-6歳。
水痘 2回 1歳時と1歳半時。
★ 日本脳炎 4回 3-4歳に3回、
9歳時に4回目。
HPV(ヒトパピローマウイルス)  2価:サーバリックス 3回 2回目は4週間後、
3回目は6か月後。
HPV(ヒトパピローマウイルス)  4価:ガーダシル 3回 2回目は2か月後、
3回目は6か月後。
HPV(ヒトパピローマウイルス)   9価:シルガード9 3回

2回目は4週間後、3回目は6か月後。

15歳以下は5か月以上後に2回目。
(接種は2回)

渡航ワクチン

ワクチンの種類 接種回数 間隔・時期
狂犬病:ラビピュール 3回 2回目は1週間後、
3回目は1か月後
黄熱 1回 接種10日後から接種証明書の
発行が可能。
ジフテリア 1回  
★ 新型コロナ 1回  
★ 髄膜炎菌(4価):メンクアッドフィ、メナクトラ 1回 2回目は4週間後、
3回目は6か月後。
★ 破傷風トキソイド 3回 2回目は4週間後、
3回目は6か月後。
★ A型肝炎 3回 2回目は4週間後、
3回目は6か月後。
★ B型肝炎 3回 2回目は4週間後、
3回目は6か月後。
★ ポリオ(IPV) 3回 2回目は4週間後、
3回目は6か月後。
★ 麻疹・風疹混合(MR) 1回 2回目は4週間後、
3回目は6か月後。
★ 日本脳炎 3回 2回目は4週間後、
3回目は6か月後。

ところで上述の回数を接種して一旦免疫がついた後でもその免疫は終生続くわけでもなく、持続時間は次のように認識されています。(厚生労働省検疫所サイトより)

ワクチンの種類 有効期間
黄熱 生涯
A型肝炎 10年以下
B型肝炎 10年以上
破傷風 10年
狂犬病 2年
ポリオ 10年以上
日本脳炎 4年

渡航ワクチンの必要性

海外へ行かれる前には、必要なワクチンが何かを考えて計画的に接種することをお勧めします。渡航ワクチンとして接種を考えた方がいいワクチンには次のようなものがあります。

(2024年3月13日 厚生労働省発表データ) A型肝炎/B型肝炎/破傷風/日本脳炎/麻疹/風疹/インフルエンザ/髄膜炎菌:これらは日本でも感染します。
しかしながら海外で感染すると医療アクセスが悪かったり、医療レベルに問題があったり、あるいは医療費が高額すぎたりと様々な問題に直面する可能性があるので、渡航先の状況とご自分の行動パターンを考えてリスクの高い場合はワクチン接種をしてから渡航した方が健康リスクも経済リスクも少なくて済みそうです。
特に、麻疹/風疹/インフルエンザはどこにいても感染リスクはありそうです。麻疹/風疹ワクチンは子供のころに接種している場合も多く、実際に罹患することで免疫を獲得している場合もあるでしょうが、抗体価が少なければ追加接種を1回受けておくとより安心です。
インフルエンザは毎年違う型が流行するので一年に一度ワクチン接種をするのがお勧めです。なお、12歳以下のお子さまは4週間あけて2回接種が基本です。 黄熱病/狂犬病/ポリオ: この3つは日本では絶対に感染しないと断言できます。
この内私たちはポリオに関しては子供のころに経口ワクチンを私たちは受けていますが、黄熱と狂犬病には一切免疫がないはずです。
というよりも狂犬病の場合はワクチンなしで感染したら必ず発症して100%死亡するのでワクチンを接種していない人で免疫がある人はいません。 それぞれの流行地域とどんな疾患かを簡単に記します。

黄熱病

黄熱病は蚊に刺されることで感染します。致死率は5%-20%と報告によってまちまちですが、全く免疫を持たない渡航者の死亡率は60%以上だという報告もあります。
入国時に黄熱予防証明書が必要な国もあります。予防接種証明書は接種10日後から生涯有効です。
なお、マラリアの分布も、少し違うものの中央から北アフリカに多くて似た場所です。マラリアに関してはワクチンはなく、予防薬は一応あるものの予防していてもかかることはあります。黄熱病の分布地域を次にしめします。

なお、黄熱病ワクチンは東京検疫所、東京医科大学病院渡航者医療センター、国立国際医療研究センター、公益財団法人日本検疫衛生協会東京診療所 で接種できますのでお問合せください。

黄熱の発症地域

(WHO資料より、国立感染症研究所サイト2002年から)

アフリカ大陸

南アメリカ大陸

国からのウィルス流入を恐れて今でも乳幼児にポリオの経口ワクチンを接種しています。

ポリオの流行国、常在国

(厚生労働省サイトより)

狂犬病

狂犬病は発症したら100%死亡するので最も気を付けていただきたい感染症です。狂犬病ウィルスを持った野生動物(犬だけではありません。あらゆる種類の哺乳類が狂犬病ウィルスを持ち得ます。)に嚙まれたり、引っかかれたり、傷口や粘膜(眼や口など)をなめられた李することで体内に侵入してきたウィルスが神経系の細胞に感染することで起こります。
末梢の神経細胞に感染したウィルスはゆっくりと脳に向かうので脳に到達するまでに平均で数か月を要します。そして脳にウィルスが到達したら筋肉が痙攣するためにものを飲み込めなくなり、呼吸もできなくなって死亡します。
一旦発症したら治療法はないので、あらかじめワクチンを3回接種しておいて、感染後にまだ症状が出てない時に再びワクチンを6回接種、それに加えて狂犬病ウィルスに対する免疫ブロブリンも投与するというのが生き残れる道です(死亡率が5%にまで下がります。0%ではありませんが)。
なお、感染後に症状が発症するまでの期間に感染しているかどうかがどんな検査でも診断できない(国立感染症研究所サイトより)ので、一旦感染したら非常に厳しい状況にあります。
リスク地域への渡航前に是非ワクチンをお勧めします。 ところで狂犬病が発生していないのは世界中で日本とニュージーランドだけです。その他は世界中で狂犬病が発生しています。
ただし高頻度地域と低頻度地域があります。 特に狂犬病高頻度である東南アジア各国では年間3万人以上が狂犬病で死亡していますが、実際のところ狂犬病でも典型的な症状ではなく、動物に噛まれて数年かかって神経麻痺が進行して死亡するなど、もう誰がいつ動物に噛まれたのかもわからない状況で死因も精査されていない場合が多く、実際は統計よりも多く狂犬病で死亡していると推測されます。
しかし日本ではある意味で平和ボケしていて狂犬病はもう撲滅したと安心しているせいかヒト用ワクチンもあまり作っていないので入手するのが困難で、狂犬病ワクチンの要請があるたびに当院ではワクチンを手に入れるのに奔走しています。
とりあえず現在まで要請のあった分は手に入れましたので、必要な方はぜひお問い合わせください。
次の世界地図は狂犬病発生分布です。ゼロは世界中で日本とニュージーランドだけです。特に東南アジアと中央から北アフリカにご注意下さい。 次の地図はW H Oのデータを元に厚生労働省が作成したものです。

当院のワクチン価格

最後に、当院におけるワクチンの接種価格を提示します。
★のついているワクチンは渡航ワクチンでもあります。

当院で受けられるワクチン 接種価格(円)
インフルエンザ 3000円
ムンプス(おたふくかぜ) 5700円
 新型コロナ 21000円
 髄膜炎菌(4価):メンクアッドフィ、メナクトラ 26000円
 破傷風トキソイド 3300円
★ A型肝炎 9000円
RSウイルス 29000円
23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン:ニューモバックスNP
(高齢者の肺炎球菌ワクチンに使用)
8000円
帯状疱疹:シングリックス 22000円
★ B型肝炎 9300円
ロタウイルス(飲むワクチン)  1価:ロタリックス 15000円
ロタウイルス(飲むワクチン)   5価:ロタテック 9900円
小児用肺炎球菌 13価:プレベナー13 13000円
小児用肺炎球菌 15価:バクニュバンス   ※R6.4.1~15価に変更  
五種混合(DPT-IPV-Hib:ジフテリア・百日咳・破傷風・ポリオ・ヒブ) 22000円
四種混合(DPT-IPV:ジフテリア・百日咳・破傷風・ポリオ) 13000円
三種混合(DPT:ジフテリア・百日咳・破傷風) 7000円
二種混合(DT:ジフテリア・破傷風) 4500円
★ ポリオ(IPV) 10000円
ヒブ(インフルエンザ菌b型) 9000円
BCG 9000円
ツベルクリン 8000円
★ 麻疹・風疹混合(MR) 10000円
おたふくかぜ 5700円
水痘 8000円
★ 日本脳炎 8000円
HPV(ヒトパピローマウイルス)  2価:サーバリックス 18000円
HPV(ヒトパピローマウイルス)  4価:ガーダシル 18000円
HPV(ヒトパピローマウイルス)  9価:シルガード9 30800円
★ 狂犬病:ラビピュール 30000円