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血圧を下げる食べ物とは?高血圧改善に良い食事のポイントを解説

生活習慣病

高血圧は生活習慣病のひとつであり、さらに重大な病気のリスクを増加させる要因のひとつです。
高血圧の発症や改善には食事が深くかかわっており、食事内容を見直すことで血圧を効果的に下げることが可能です。

今回の記事では、高血圧を指摘されて食事改善を始めようとしている方向けに、高血圧を改善するために積極的に取り入れたい食材、高血圧の食事を無理なく続けるための知識、食事以外の生活習慣の見直しポイントについて解説します。

高血圧の方におすすめの減塩レシピも紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね。

高血圧とは

高血圧とは

血圧は血管の内側にかかる圧力を示したもので、心臓が血液を拍出した瞬間には高く、拍出していない瞬間には下がるため、上の血圧(収縮期血圧)と下の血圧(拡張期血圧)の二つの数値で表されます。

高血圧は、上下の血圧のどちらか、または両方が高い状態を指します。

特定健康診査(いわゆるメタボ健診)では、収縮期血圧130㎜Hg かつ/または 拡張期血圧85㎜Hg以上で高血圧と判断されます。

日本人間ドック学会の2023年度判定区分表では、血圧値のレベルに応じて治療の必要性の分類を行っています。

■日本人間ドック学会の2023年度判定区分表

  収縮期血圧  拡張期血圧
正常  129㎜Hg以下  84㎜Hg以下
軽度異常  130~139㎜Hg  85~89㎜Hg
要経過観察  140~159㎜Hg  90~99㎜Hg
要医療  160㎜Hg以上  100㎜Hg以上

日本人間ドック学会2023年度判定区分表 より作成

高血圧と診断されても、初期の場合には自覚症状がないことがほとんどです。
高血圧が進行すると、頭痛、めまい、胸の圧迫感などの症状が現れることがあります。

高血圧の状態が長期間に及ぶと、血管、心臓、脳、腎臓などの臓器にダメージを与え、これらの臓器の疾患につながります。
具体的には、以下のような疾患のリスクを高めることが知られています。

  • 動脈硬化
  • 心血管疾患
  • 脳血管疾患
  • 腎機能低下、腎不全

高血圧によってリスクが高まる疾患には命にかかわるものも少なくありません。
初期の高血圧のうちに原因を改善することが大切です。

高血圧の原因とは

高血圧の原因とは

高血圧は生活習慣病のひとつであり、その発症や進行には普段の生活習慣が深く関係しています。

  • カロリーの摂りすぎ、肥満
  • 食塩の摂りすぎ
  • 喫煙・運動不足・ストレスなど生活習慣の問題

肥満や食塩(ナトリウム)、喫煙習慣、運動不足、ストレスは、それぞれ異なるメカニズムから血圧を上げる作用があり、いずれか、または複数が重なることにより、高血圧の発症原因となります。

また、遺伝素因も高血圧の発症にかかわることが知られており、親が高血圧の場合、約30~50%の確率で子どもも高血圧になるといわれています。
加えて、親子では近い生活習慣を持っていることも家族間で高血圧が共通しやすい要因とも言えます。

高血圧に良い、血圧を下げる食事のポイント

高血圧に良い、血圧を下げる食事のポイント

高血圧は生活習慣が発症や改善に深く関係する「生活習慣病」です。
生活習慣のなかでも、食事は高血圧の発症との関連度が特に高く、食事を見直すことは血圧を下げるための方法として大きな部分を占めています。

血圧を下げるための食事のポイントをまとめると、以下の6点が挙げられます。

  • 減塩
  • カリウムの摂取
  • 適正量のカロリー摂取
  • 食物繊維の摂取
  • カルシウムの摂取
  • 節酒

それぞれの内容について詳しく解説します。

減塩(塩分制限)

食塩(ナトリウム)はとりすぎると血液中の水分を増やし、血管内の圧力を高める作用があります。

日本高血圧学会の発表している高血圧の治療ガイドラインでは、減塩目標値として1日6g未満が挙げられています。

現代日本の食生活ではほとんどの人が食塩を摂りすぎており、調査によっては男性14g、女性11gという報告もあります。
そのために、高血圧がある人はもちろん、高血圧ではない人であっても減塩は必要な取り組みといえます。

カリウムの摂取

カリウムはミネラルに属する栄養素のひとつで、体内のミネラルバランスを調整する働きがあり、取りすぎたナトリウムの排出を促す作用があります。

カリウムはさまざまな食品に含まれるものの、十分な量を取ろうとすると、食品の種類によっては摂取カロリーが多くなりすぎてしまい、肥満などにつながりかねません。
摂取カロリーを低く抑えつつカリウムの摂取量を増やすには、野菜や果物といった食品グループが適しています。

ただし、腎臓病がある場合には、カリウムの摂取量を制限しなければならない場合があります。
高血圧に加えて腎臓機能の低下がある場合には、医師や管理栄養士等の専門家に相談の上、食事内容を決めるようにしましょう。

適正量のカロリー摂取

消費カロリーに対して摂取カロリーが多すぎると余ったカロリーは体脂肪として蓄積され、BMIが25以上になると肥満と判断されます。
BMIが高い25~30の肥満者の場合、BMI20未満の人と比較して高血圧の発症リスクが高いことが知られています。

肥満者の体内では、様々なホルモンの分泌量や働きが変化してしまうことが知られています。
この影響で血管が細くなったり、血中のナトリウムが排出されにくくなったり、交感神経が刺激されたりといった現象が起こることで、血圧が高くなると考えられています。

肥満は高血圧のほか、糖尿病や脂質異常症といったほかの生活習慣病のリスク要因でもあります。
生活習慣病は併発することで動脈硬化をさらに進行させるため、将来の疾病リスクを抑えるためにも肥満の解消のためのカロリー管理は重点的に取り組みたい項目となります。

食物繊維の摂取

食物繊維は腸内でコレステロールを吸着したり、満腹感を長続きさせたりする作用により、血管の健康を維持や肥満の解消に役立つことを介して間接的に血圧を下げることに役立つといわれています。

実際に、食物繊維の摂取量が増えることで血圧が低下傾向を示すことが報告されています。
また、食物繊維をしっかりととることは高血圧以外にも心筋梗塞や脳卒中、糖尿病や各種がんの発症リスクを低下させることが知られており、高血圧の人以外も摂取量を増やすことが推奨されます。

食物繊維を多く含む食品には野菜が代表的ですが、野菜はカリウム摂取やカロリー管理にも役立つため、積極的に取り入れるべき食材といえるでしょう。

カルシウムの摂取

カルシウムが不足すると血管の伸縮性を低下させて血圧の上昇を招くことから、カルシウムも十分な量を摂取したい栄養素です。

また、カルシウムの摂取量が増えると血圧の低下がみられることも報告されています。

カルシウムの摂取は減塩やカリウム摂取、肥満解消などと比較すると血圧低下作用は少ないとされているため優先度は高くありませんが、可能な範囲で気を配れると理想的です。

節酒

アルコールの血管収縮・交感神経刺激作用により、お酒の摂りすぎでは高血圧の原因となることが知られています。

飲酒量を適度な範囲に収めることで血圧の低下が期待でき、飲酒制限を始めて1~2週間程度という比較的短期間でも効果がみられたと報告されています。

高血圧がある場合には、純アルコールとして男性は1日あたり20~30ml以下、女性はおよそ半分の10~20ml以下に制限することが勧められます。

■純アルコールで20~30mlに相当する酒量の目安

  • 日本酒1合(180ml)
  • ビール中ビン1本(500ml)
  • 焼酎半合(90ml)
  • ウイスキーダブル1杯(60ml)
  • ワイン2杯(250ml)

血圧を下げる食べ物・飲み物

血圧を下げるのに役立つ食べ物は、ここまでで解説した「血圧を下げるために行うべき食事改善」に役立つ食品といえます。

  • カロリー、食塩、アルコールの摂取量カット
  • カリウム、食物繊維、カルシウムの摂取量アップ

高血圧改善のための食事に積極的に取り入れたい食品を具体的に紹介します。

野菜類

野菜類

野菜類は平均的に低カロリーであり、カリウム、食物繊維の良い摂取源となります。
また、緑黄色野菜の一部はカルシウムの摂取源としても優秀です。

■野菜類のカロリーとカリウム含有量(100gあたり)

食品名  カロリー  カリウム  食物繊維
ほうれんそう  18kcal  690㎎  2.8g
小松菜  13kcal  500㎎  1.9g
水菜  15kcal  480㎎  3.0g
ブロッコリー  35kcal  460㎎  5.1g
かぼちゃ  78kcal  460㎎  3.5g
ごぼう  58kcal  320㎎  5.7g
オクラ  15kcal  280㎎  5.0g

文部科学省:「食品成分データベース:日本食品標準成分表2020年版(八訂)」 より作成

ほうれん草、小松菜といった色味の濃い葉物野菜は低カロリーでカリウムが多いのが魅力。
根菜は野菜の中ではカロリーが高くなりやすい一方で、食物繊維が豊富に含まれているのが特徴です。

いずれにしても、どれか一つの野菜にこだわるのではなく、さまざまな種類を偏りなく取り入れるのがおすすめです。

果物類

果物類

果物類も野菜類と並んでカリウムの良い摂取源となります。
カリウムは調理すると溶けだしてしまうことがありますが、果物の場合には生で食べることが多いため、無駄なくとりやすいのが魅力です。

また、甘味のある食べ物として、高カロリーなお菓子類と置き換えて使うことで、摂取カロリーカットにも活用できます。

■果実類のカロリーとカリウム含有量(100gあたり)

食品名  カロリー  カリウム  食物繊維
アボカド  176kcal  590㎎  5.6g
バナナ  93kcal  360㎎  1.1g
メロン  40kcal  340㎎  0.5g
グリーンキウイ  51kcal  300㎎  2.6g
ゴールドキウイ  63kcal  300㎎  1.4g
ネーブルオレンジ  48kcal  180㎎  1.0g
みかん  49kcal  150㎎  1.0g

文部科学省:「食品成分データベース:日本食品標準成分表2020年版(八訂)」 より作成

アボカドはカリウムや食物繊維の含有量が極めて高い果物ですが、カロリーが高いため、使い方には注意が必要です。

カロリーとカリウム量、食物繊維量を総合すると、グリーンキウイが優秀です。
1年を通して手に入りやすく、価格もさほど高くないため取り入れやすいのが魅力です。

きのこ類

きのこ類

きのこ類も野菜類と並んで高血圧改善のために積極的に摂りたい食材です。
低カロリーでカリウムと食物繊維の良い摂取源となるため、ダイエット中のカサ増し食材としても定番といえます。

■きのこ類のカロリーとカリウム含有量(100gあたり)

食品名  カロリー   カリウム 食物繊維
ぶなしめじ  26kcal  370㎎  3.0g
マッシュルーム  15kcal  350㎎  2.0g
えのきたけ  34kcal  340㎎  3.9g
エリンギ  31kcal  340㎎  3.4g
なめこ  21kcal  240㎎  3.4g
まいたけ  22kcal  230㎎  3.5g

文部科学省:「食品成分データベース:日本食品標準成分表2020年版(八訂)」 より作成

また、栄養価について、きのこ類は野菜類よりも種類によるばらつきが少なく、どれを選んでも差がないのも魅力です。
価格も低めで安定しているため、積極的に取り入れてみてくださいね。

乳製品

乳製品

血圧低下にカルシウムの十分な摂取が有効であることが知られています。
乳製品はカルシウムの代表的な摂取源であり、ほかの食品と比較して吸収率が高いのが魅力です。

■乳製品のカロリーとカルシウム含有量(100gあたり)

食品名  カロリー  カルシウム
プロセスチーズ  313kcal  630㎎
ヨーグルト(無脂肪無糖) 37kcal  140㎎
低脂肪乳  42kcal  130㎎
ヨーグルト(低脂肪無糖)  40kcal  130㎎
ヨーグルト(全脂無糖)  56kcal  120㎎
普通牛乳  61kcal  110㎎
飲むヨーグルト(加糖)  64kcal  110㎎

文部科学省:「食品成分データベース:日本食品標準成分表2020年版(八訂)」 より作成

チーズのように牛乳を濃縮したものではカルシウム含有量が高くなりますが、その分カロリーも高くなりがちなため、摂取カロリーを調整しながら取り入れるようにしましょう。

ヨーグルトや牛乳には低脂肪タイプもあるため、カロリーを抑えつつ取り入れるのに便利です。

ノンアルコール飲料

ノンアルコール飲料

高血圧ではアルコール摂取量を適正範囲に収めることが求められます。

お酒類を模して作られたノンアルコール飲料はお酒を楽しむ気分を味わいながらも、アルコール摂取量を抑えることに役立ちます。

また、ノンアルコール飲料とはいっても、砂糖類が多く含まれるジュースのようなものの場合、余分なカロリー摂取になってしまうため量に気を付ける必要があります。
なるべく糖類などを抑えたカロリーオフやカロリーゼロのものがおすすめです。

美味しく効果的に減塩する食材選びと調理方法、食べ方のコツ

美味しく効果的に減塩する食材選びと調理方法、食べ方のコツ

高血圧の改善のための食事のポイントとして、減塩は最も重要な項目といえます。
ただ、単に食塩を減らすと食事の味わいが物足りなくなってしまい、うまくいかないことが少なくありません。
食事のおいしさを保ったまま減塩を行うためにはコツがあり、以下のようなポイントが挙げられます。

  • だしをきかせる
  • 香辛料、香味野菜を活用する
  • 酸味をきかせる
  • 減塩調味料の活用
  • 漬物、塩漬けの加工品は控える
  • 麺類のスープは残す
  • 卓上調味料はかけずにつける
  • 高血圧向け冷食などの活用

これらのコツについて、具体的な食品名を挙げながら詳しく紹介します。
一度にすべてを始めるのではなく、できるものから始めて徐々に薄味に慣れていきましょう!

だしをきかせる

だしにはグルタミン酸やイノシン酸といった「うまみ成分」が含まれています。
だし(出汁)をきかせた料理は、だしに含まれるうまみ成分により、塩分が少なくても味わいが深まり、食べた時の満足感を高めてくれます。

具体的には、汁物や煮物をつくるときに、だし(またはだしの出る食材)をたっぷり使い、代わりに食塩を含む調味料(塩、醤油、味噌など)を減らしましょう。

だしの出る食材には、以下のようなものが代表的です。

  • 昆布
  • かつお節
  • 干しシイタケ
  • 貝類
  • 肉類
  • えび、かに

また、2つ以上のだしを併用することで、うまみ成分の相乗効果によってさらに味わいが深まるため、減塩にも効果的です。

だしの中でも顆粒だしは便利ですが、食塩が多く含まれる商品も少なくありませんので、原材料表示や栄養成分表示等を確認し、なるべく食塩含有量の低いものを選び、使用量には注意しましょう。

香辛料・香味野菜を活用する

独特の香り、辛味、風味を持つ香辛料や香味野菜は、塩分量とは別に料理の味を深めてくれる食材です。

香味野菜や香辛料には以下のようなものがあり、それぞれに特有の味わいがあります。

  • 生姜
  • にんにく
  • 大葉
  • みょうが
  • バジル
  • ローズマリー
  • コショウ
  • カレー粉
  • トウガラシ
  • マスタード
  • わさび
  • 花椒

薬味やハーブ、スパイスを上手に使うことで減塩しつつもバラエティ豊かな食事にできますので、ぜひ取り入れてみてくださいね。

酸味をきかせる

お酢やかんきつ類の果汁に含まれる酢酸やクエン酸などの酸による「すっぱい味」は塩味が少なくても味付けがしっかりついているように感じさせてくれます。

酸味を加えられるお酢やかんきつ類には、以下のようなものがあります。

  • 米酢
  • 穀物酢
  • りんご酢
  • バルサミコ酢
  • レモン
  • ゆず
  • すだち
  • かぼす

それぞれ異なる風味があるため、味の好みや料理によって使い分けるのもおすすめです。

減塩調味料の活用

近年では通常のものよりも食塩含有量を抑えた「減塩調味料」が多く出回っています。
同じ量を使っても食塩摂取量が抑えられるため、減塩を行っている人の強い味方となります。

減塩タイプが販売されている調味料は多数あり、例としては以下のような種類があります。

  • 醤油
  • 味噌
  • ソース類
  • ドレッシング
  • ケチャップ
  • ポン酢
  • 顆粒だし

一点注意が必要なのが、減塩タイプの調味料ではカリウムが多く含まれる場合があること。
疾患が高血圧だけの場合にはあまり問題にはなりませんが、腎機能の低下がある場合には、カリウムの摂取量が制限される場合があります。

念のため、医師や管理栄養士などに相談してから取り入れると安心です。

漬物・塩漬けの加工食品は控える

漬物類や塩漬けの加工品は食塩を多く含むものが多く、少量でも食塩摂取量を増してしまうため、減塩の観点では避けるべき食品といえます。

  • 漬物(ぬか漬け、たくあん、柴漬けなど)
  • キムチ
  • 梅干し
  • 魚介加工品(干物、しらす干し、塩辛など)
  • 魚卵加工品(たらこ、明太子、いくら醤油漬けなど)

これらの食品は日常的に食べることは避け、摂取頻度を下げることが必要です。

麺類のスープは残す

麺類のスープは通常のスープ類と比較して塩分濃度が高く、またその量も多いため、飲み干したり、頻繁に食べたりすると塩分を摂りすぎる原因となります。

  • ラーメン
  • うどん
  • そば

これらの料理を食べる頻度を抑えることも必要ですが、特にスープはなるべく残すようにしましょう。

卓上調味料はかけずにつける

料理の調理中ではなく、お皿に盛り付けて食べるときに加える調味料は、意図せず食塩摂取量を増やす要因のひとつです。
具体的には、以下のようなものが挙げられます。

  • 刺身の醤油
  • 餃子、シュウマイのたれ
  • 揚げ物のソース
  • サラダのドレッシング

食塩摂取量を減らすコツとして、これらの調味料は料理の上からかけるのではなく、小皿にとって食べるときに少量を付けるようにするとよいでしょう。

付けるときには全体にからませるのではなく、食べた時に舌に触れる部分に少量を付けるようにすると、調味料の味が感じられやすくなります。

高血圧向け冷食などの活用

冷凍で届く宅配食、宅配惣菜の中には、高血圧の方向けに食塩量が調節されたものも多く販売されています。

あらかじめ1食あたりの食塩量が計算され、調理と盛り付けが済んでいるため、調理や塩分量の計算の手間が大幅にカットできるのが魅力です。
冷凍タイプであれば、冷凍庫にストックしておくことで必要な時に好きなメニューを選ぶことが可能です。

簡単に塩分量が管理された食事をとることができるので、塩分量を意識した食事づくりが難しいという方や一人暮らしの方におすすめのサービスとなっています。

高血圧対策におすすめの減塩レシピを紹介

高血圧の方におすすめの手軽に作れる減塩レシピを紹介します。
食事の中の一品として、また、減塩食をつくるためのポイントの実例としても参考にしてみてください。
1人分のレシピになっていますので、食べる人数に合わせて分量を増やして作ってくださいね。

具沢山野菜のカレースープ

具沢山野菜のカレースープ

分量(1人分)

  • 玉ねぎ 30g
  • トマト 30g
  • しめじ 30g
  • ズッキーニ 30g
  • オリーブオイル 2g(小さじ1/2)
  • 水 100ml
  • コンソメ(減塩)1.8g
  • カレー粉 0.5g(小さじ1/4)

作り方

  1. 玉ねぎ、トマト、しめじ、ズッキーニは2㎝角の角切りにする。
  2. 鍋にオリーブオイルを入れてあたため、玉ねぎを加えて炒める。玉ねぎに油が回ったら炒め合わせずに置いて加熱し、焼き目を付けるとうまみが出やすい。
  3. 玉ねぎに焼き色がついたらしめじ、トマト、ズッキーニを加えて炒め合わせる。
  4. 全体に火が通ったらカレー粉を加えてさらに炒め、なじんだら水を加える。
  5. 煮立ったらコンソメ(減塩)を加えて調味する。

栄養価(1人分)

  • カロリー 52kcal
  • たんぱく質 1.9g
  • 脂質 2.4g
  • 炭水化物 7.3g
  • 食物繊維総量 2.2g
  • 食塩相当量 0.5g
  • カリウム 330㎎

コメント

低カロリーで食べ応えがありつつ、塩分を抑えた汁物レシピです。

高血圧では避けられがちな汁物ですが、具を増やしてスープ部分を減らすことで、1食あたりの食塩量が減らせます。
また、うまみが出るたまねぎ、トマト、しめじを使い、しっかり炒めることで塩分控えめでも味わいが深まります。
カレー粉で風味を足しているので、満足感もありおすすめです。

高血圧改善のために食事以外で気を付けたい生活習慣のポイント生活習慣のポイント

食事以外の生活習慣を見直すことも高血圧の改善に効果的です。

運動不足の解消や禁煙、十分な休養を取ることの効果を解説します。

運動

運動不足は高血圧の原因のひとつです。

運動を習慣化することは、直接血圧を下げる効果があり、さらに消費カロリーを増やして肥満を改善できることから、可能な限り取り入れたい生活習慣といえます。

日本高血圧学会の「高血圧治療ガイドライン2019」では、以下のような有酸素系の運動が推奨されています。

  • 速歩
  • ステップ運動
  • スロージョギング
  • ランニング

これらの運動を毎日30分、または週180分以上行うことが目標とされています。

まとまった運動時間を確保するのが難しい場合には、「1日の中で体を動かす時間を増やす」ことを意識しましょう。
具体的には、以下のような身体活動が増えるとよいでしょう。

  • 普通ペースで歩く
  • 早歩きをする
  • 階段の上り下りをする
  • 立ち状態での家事(掃除、子どもの世話など)
  • 自転車に乗る
  • 荷物の持ち運びや積み下ろし

これらの動作が1日あたり60分以上になることが目標となります。
普段の生活でどのくらい体を動かしているか見直し、できそうなものから運動量を増やしていきたいですね。

禁煙

たばこは血管の収縮や心拍数を増加させることにより、血圧を高める働きがあります。
また、長期間では血管が硬くなる動脈硬化を促進することにより、血圧を上げる作用を持ちます。

自己流での禁煙が難しい場合には、禁煙補助薬を取り入れた禁煙指導等も上手に利用しましょう。

また、禁煙に伴って体重が増えてしまうことがあるので、食事のカロリー管理も同時に気を配りたいポイントとなります。

十分な休養

ストレスや睡眠不足は自律神経の働きが悪くし、高血圧を発症・進行させる要因のひとつとなります。

十分な休養をとるには、休養(睡眠)時間の確保が重要です。
寝床に入る時間を早めに設定したり、寝る部屋や寝具を見直したりなど体を休める環境を整えるようにしましょう。

まとめ

高血圧は毎日の生活習慣が発症や進行に深く関係する病気です。
症状がないからと言って放置すると、命にかかわる病気に発展する恐れがあります。

毎日の食事内容を見直したり、日々の生活スタイルを改善したりすることで、高血圧を改善し、将来の重大な病気を予防することにつながります。

具体的な食事改善の内容としては、

  • 食塩摂取量を減らす
  • カリウムの摂取量を増やす
  • 肥満解消のためカロリー管理を行う
  • アルコールの摂取量を減らす
  • カルシウム、食物繊維の摂取量を増やす

などが挙げられます。

食べ物のうち、血圧を下げるために活用したい食材は以下のようなものが挙げられます。

  • 野菜
  • 果物
  • きのこ類
  • 乳製品
  • ノンアルコール飲料

摂取量や食事全体のバランスなどを考慮する必要はありますが、いずれも高血圧改善に役立つため、専門医や管理栄養士のアドバイスを受けながら取り入れることをおすすめします。

今回紹介した高血圧に良い食事や生活習慣は、高血圧以外の生活習慣病全般の予防や改善にも効果的です。
将来にわたって健康状態を良好に保つためにも、早いうちから改善に取り組むことをおすすめします。

記事監修

クリニック院長
院長 渡邉 秀美代
  • お茶の水橋交番横クリニック 院長
  • 医学博士
  • 総合内科認定医
  • 内分泌内科専門医
  • 内分泌内科指導医
  • 産業医
  • JSCTR認定GCPパスポート(日本臨床試験協会)

管理栄養士
管理栄養士 平井 しおり

2013年に管理栄養士資格取得後、保育施設に勤務、栄養相談などに従事。
現在は、栄養とダイエットに関する科学的根拠に基づいた情報を発信しています。